外構のプロが教える洗い出しコンクリートと透水性コンクリートの決定的な違いと選び方

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こんにちは、株式会社ノエルの三輪です。外構エクステリアプランナーとして愛知県一宮市、岐阜県を中心に活動しております。
外構工事を検討されている方にとって、コンクリートの種類選びは見た目だけでなく、機能性や耐久性にも大きく影響する重要な決断です。特に「洗い出しコンクリート」と「透水性コンクリート」は、見た目が似ているため混同されがちですが、実は全く異なる特性を持っています。
今回は、当社YouTubeチャンネルで公開している動画の内容を基に、この2種類のコンクリートの違いや選び方について詳しく解説していきます。お庭や駐車場のデザインを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
洗い出しコンクリートとは?基本特性と魅力
洗い出しコンクリートは、通常のコンクリートの表面を特殊な方法で処理し、内部の骨材(砂利や砂)を露出させた仕上げのことです。動画内でも説明しているように、この工法は見た目の美しさと耐久性を兼ね備えた人気の外構材料となっています。
洗い出しコンクリートの施工方法
洗い出しコンクリートの施工方法は、動画内で詳しく解説されていますが、基本的な流れとしては以下のようになります:
- 通常のコンクリートを打設する
- 表面が固まり始めたタイミングで水で洗い流す
- 表面のセメントペーストを除去し、内部の骨材を露出させる
- 乾燥後、表面を保護するためのコーティング剤を塗布する
この工程により、内部の骨材が美しく露出した独特の質感が生まれます。骨材の種類や大きさを変えることで、様々な表情を作り出すことができるのが特徴です。
洗い出しコンクリートの特徴とメリット
動画内で紹介されている洗い出しコンクリートの主な特徴とメリットをまとめると:
- 高い意匠性:骨材の種類や色を選ぶことで多様なデザインが可能
- 優れた耐久性:適切に施工されれば10年以上の長期使用が可能
- 滑りにくい表面:表面に適度な凹凸があるため、濡れた状態でも比較的滑りにくい
- メンテナンスの容易さ:表面がコーティングされているため、汚れが付きにくく清掃も比較的容易
- コストパフォーマンス:見た目の高級感に対して、比較的リーズナブルな価格設定
特に、動画内では骨材の色や大きさによって印象が大きく変わることが強調されています。白や明るい色の骨材を使用すれば明るく開放的な印象に、黒や暗い色の骨材を使えば落ち着いた高級感のある仕上がりになります。
洗い出しコンクリートのデメリット
一方で、動画内では触れられていない部分も含め、洗い出しコンクリートにはいくつかのデメリットも存在します:
- 水はけの悪さ:通常のコンクリート同様、水を透過しないため、雨水の排水計画が必要
- 経年による変色:表面コーティングが劣化すると、徐々に色あせや変色が生じる可能性がある
- ひび割れのリスク:温度変化や地盤の動きによるひび割れが発生する可能性がある
- 施工技術への依存:仕上がりの質が施工業者の技術に大きく左右される
これらのデメリットは、適切な施工計画と定期的なメンテナンスによって軽減することが可能です。特に排水計画は重要で、適切な勾配や排水溝の設置が必要となります。
透水性コンクリートとは?基本特性と魅力
動画内で詳しく解説されている透水性コンクリート(ドライテック)は、その名の通り水を透過させる特殊なコンクリートです。通常のコンクリートとは配合や構造が大きく異なり、環境に配慮した次世代型の舗装材として注目されています。
透水性コンクリートの構造と原理
透水性コンクリートの最大の特徴は、その多孔質構造にあります。動画内でも説明されているように:
- 特殊な配合により、コンクリート内部に無数の小さな空隙(穴)が形成される
- これらの空隙が連続的につながることで、水の通り道が確保される
- 表面に降った雨水が地中へと浸透していく仕組み
通常のコンクリートが水を通さないのに対し、透水性コンクリートは雨水を地中に還元する「環境配慮型」の舗装材です。動画内でも、実際に水を注いで透水性を確認するデモンストレーションが行われており、その効果が視覚的に理解できます。
透水性コンクリートの特徴とメリット
動画内で紹介されている透水性コンクリートの主なメリットは以下の通りです:
- 優れた排水性能:雨水を地中に浸透させるため、水たまりができにくい
- ヒートアイランド現象の緩和:地中の水分が蒸発する際の気化熱により、表面温度の上昇を抑制
- 地下水の涵養:雨水を地中に還元することで、地下水を豊かにする効果
- 自然な水循環の維持:都市部でも自然に近い水循環を実現
- 洗い出し調の美しい外観:表面は洗い出しコンクリートに似た美しい仕上がり
- 滑りにくい表面:表面の凹凸により、濡れた状態でも滑りにくい
特に、動画内では透水性コンクリートの環境面でのメリットが強調されています。都市部の舗装面積の増加による水害リスクの高まりが社会問題となる中、透水性コンクリートは環境負荷を低減する解決策の一つとして注目されています。
透水性コンクリートのデメリット
動画内では詳しく触れられていませんが、透水性コンクリートにもいくつかのデメリットが存在します:
- 強度の問題:通常のコンクリートと比較すると強度が低く、重量物の長期的な荷重には不向き
- 目詰まりのリスク:長期使用により空隙が目詰まりを起こし、透水性が低下する可能性
- メンテナンスの必要性:透水性を維持するための定期的な清掃や管理が必要
- 施工コスト:通常のコンクリートと比較して施工コストが高くなる傾向
- 凍結リスク:寒冷地では内部の水分が凍結し、劣化を早める可能性
これらのデメリットは、用途や設置場所に応じた適切な計画と定期的なメンテナンスによって対応することが重要です。特に車の乗り入れがある場所では、荷重に対する強度を考慮した設計が必要となります。
洗い出しコンクリートと透水性コンクリートの決定的な違い
動画内で詳しく解説されているように、洗い出しコンクリートと透水性コンクリートは見た目が似ているものの、機能面では大きく異なります。ここでは、その決定的な違いを整理してみましょう。
水の透過性の違い
最も大きな違いは、水の透過性です:
- 洗い出しコンクリート:水を透過させない(不透水性)
- 透水性コンクリート:水を地中に浸透させる(透水性)
動画内でも実演されているように、洗い出しコンクリートの上に水を注ぐと水たまりができますが、透水性コンクリートでは水が地中に浸透していきます。この特性の違いが、用途選定において最も重要なポイントとなります。
構造と強度の違い
構造と強度においても、両者には明確な違いがあります:
- 洗い出しコンクリート:通常のコンクリートと同様の密実な構造で、高い強度を持つ
- 透水性コンクリート:多孔質構造のため、洗い出しコンクリートと比較すると強度は劣る
この強度の違いにより、重い車両が頻繁に通行する場所や重量物を置く場所では、洗い出しコンクリートの方が適している場合が多いです。一方、歩行者専用の通路や水はけを重視する庭のテラスなどでは、透水性コンクリートの特性が活かされます。
環境への影響の違い
環境面での特性も大きく異なります:
- 洗い出しコンクリート:雨水を排水溝などに流す必要があり、都市型水害のリスクに関連
- 透水性コンクリート:雨水を地中に還元するため、自然な水循環を促進し環境負荷を低減
動画内でも触れられているように、近年の都市開発による舗装面積の増加は、雨水の流出量増加や地下水位の低下など、様々な環境問題を引き起こしています。透水性コンクリートは、こうした問題に対する一つの解決策として注目されています。
メンテナンス方法の違い
長期的な維持管理の観点でも違いがあります:
- 洗い出しコンクリート:表面コーティングの定期的な塗り直しが主なメンテナンス
- 透水性コンクリート:透水性を維持するための目詰まり防止が主なメンテナンス
洗い出しコンクリートは表面のコーティング剤が劣化すると、見た目の劣化や耐久性の低下につながります。一方、透水性コンクリートは空隙の目詰まりが進むと透水機能が低下するため、定期的な清掃や専用の洗浄が必要になることがあります。
用途別・最適なコンクリート選びのポイント
動画内では、それぞれのコンクリートの特性を踏まえた上で、どのような場所に適しているかについても解説されています。ここでは、用途別の選び方のポイントをまとめてみましょう。
駐車場・カーポートに適したコンクリート
駐車場やカーポートでは、車の重量に耐える強度が求められます:
- 洗い出しコンクリート:車の重量に十分耐えられる強度があり、駐車場に適している
- 透水性コンクリート:一般的な乗用車程度であれば対応可能だが、大型車や長期的な荷重には不向き
動画内でも説明されているように、駐車場では基本的に洗い出しコンクリートが選ばれることが多いですが、水はけを特に重視する場合や環境配慮型の設計を目指す場合には、強度を考慮した上で透水性コンクリートを採用するケースもあります。
アプローチ・玄関周りに適したコンクリート
アプローチや玄関周りは、見た目の美しさと実用性のバランスが重要です:
- 洗い出しコンクリート:高級感のある美しい外観と耐久性を両立でき、玄関周りの格調高い演出に適している
- 透水性コンクリート:雨の日でも水たまりができにくく、滑りにくい特性があるため安全性を重視する場合に適している
動画内では、アプローチや玄関周りは家の顔となる部分であるため、デザイン性を重視する場合は洗い出しコンクリートが選ばれることが多いと説明されています。ただし、バリアフリーや安全性を特に重視する場合には、透水性コンクリートの特性が活かされることもあります。
庭のテラス・パティオに適したコンクリート
庭のテラスやパティオは、くつろぎの空間としての快適性が重要です:
- 洗い出しコンクリート:高いデザイン性と耐久性があり、家具を置いても沈み込む心配が少ない
- 透水性コンクリート:雨後すぐに使用できる便利さと、夏場の表面温度上昇を抑える効果がある
動画内でも触れられているように、テラスやパティオでは両方のコンクリートが採用されますが、用途や優先する機能によって選択が分かれます。例えば、バーベキューなど火を使う用途では、水はけの良さから透水性コンクリートが適していることもあります。
歩道・園路に適したコンクリート
歩道や園路では、歩きやすさと安全性が重要なポイントとなります:
- 洗い出しコンクリート:耐久性に優れ、長期間美しい状態を維持できる
- 透水性コンクリート:雨水の排水性に優れ、水たまりができにくいため歩行の安全性が高い
動画内では特に強調されていませんが、公共空間の歩道などでは近年、環境配慮の観点から透水性コンクリートの採用が増えています。特に都市部の公園や遊歩道など、緑地と舗装が共存する場所では、植物の生育環境を考慮して透水性コンクリートが選ばれることが多くなっています。
コスト比較と耐久性の関係
動画内では詳細なコスト比較は行われていませんが、洗い出しコンクリートと透水性コンクリートのコストと耐久性について整理しておきましょう。
初期コストの比較
一般的に、初期コストは以下のような傾向があります:
- 洗い出しコンクリート:標準的なコンクリート舗装より高いが、透水性コンクリートよりは安価
- 透水性コンクリート:特殊な配合と施工技術が必要なため、洗い出しコンクリートより高価になる傾向
ただし、具体的な価格は地域や施工業者、施工面積、デザインの複雑さなどによって大きく変動します。正確な見積もりは、実際に施工業者に相談することをおすすめします。
長期的なメンテナンスコスト
初期コストだけでなく、長期的なメンテナンスコストも考慮する必要があります:
- 洗い出しコンクリート:5〜7年ごとのコーティング剤の塗り直しが必要
- 透水性コンクリート:透水性能を維持するための定期的な清掃や、場合によっては専用の洗浄が必要
長期的な視点では、メンテナンスの頻度や方法によって、トータルコストが逆転する可能性もあります。特に透水性コンクリートは、適切なメンテナンスを行わないと透水機能が低下し、本来の価値が発揮できなくなる点に注意が必要です。
耐用年数の比較
適切に施工・維持管理された場合の一般的な耐用年数は以下の通りです:
- 洗い出しコンクリート:15〜20年程度(定期的なコーティング更新を行った場合)
- 透水性コンクリート:10〜15年程度(適切なメンテナンスを行った場合)
ただし、これらはあくまで目安であり、使用状況や環境条件、メンテナンス状況によって大きく変動します。特に透水性コンクリートは比較的新しい技術のため、長期的な耐久性については今後のデータ蓄積が待たれる部分もあります。
施工業者選びのポイントと注意点
動画内では直接触れられていませんが、洗い出しコンクリートや透水性コンクリートの仕上がりや耐久性は、施工業者の技術力に大きく左右されます。ここでは、施工業者を選ぶ際のポイントをご紹介します。
施工実績と経験を確認する
特に透水性コンクリートは比較的新しい技術のため、施工経験が豊富な業者を選ぶことが重要です:
- 過去の施工事例や実績を確認する
- 可能であれば実際の施工現場や完成物件を見学させてもらう
- 特に透水性コンクリートの場合、透水性能の検証方法や品質管理方法を確認する
施工実績が豊富な業者は、様々な条件下での施工経験があり、予期せぬ問題にも適切に対応できる可能性が高くなります。
保証内容とアフターサービスを確認する
長期的な安心のために、保証内容やアフターサービスについても確認しておきましょう:
- 施工後の保証期間と保証内容
- ひび割れや剥がれなどのトラブル時の対応方針
- 定期的なメンテナンスサービスの有無と内容
特に透水性コンクリートは、透水機能の維持が重要なため、定期的なメンテナンスサービスを提供している業者を選ぶと安心です。
見積もり内容の詳細を確認する
適正な価格で質の高い施工を受けるために、見積もり内容は詳細に確認しましょう:
- 使用する材料の種類や品質
- 下地処理や排水計画の内容
- 施工方法や工程の詳細
- 追加費用が発生する可能性のある条件
特に安価な見積もりの場合、材料の品質や施工方法が簡略化されている可能性があるため、内容をしっかりと比較検討することが重要です。
まとめ:あなたの外構に最適なコンクリートを選ぶために
動画内で解説されている内容を踏まえ、洗い出しコンクリートと透水性コンクリートの選択について、最終的なポイントをまとめます。
選択の基準となる優先事項
最適な選択をするためには、以下の点を優先順位付けすることが重要です:
- 強度と耐久性を重視するなら:洗い出しコンクリート
- 水はけと環境配慮を重視するなら:透水性コンクリート
- デザイン性と美観を重視するなら:両者とも可能(骨材の種類や色で調整)
- メンテナンスの手軽さを重視するなら:状況による(設置場所や使用頻度による)
動画内でも説明されているように、それぞれの特性を理解した上で、設置場所や用途に合わせて最適な選択をすることが大切です。
複合的な使用の可能性
必ずしもどちらか一方だけを選ぶ必要はなく、場所によって使い分けることも有効な選択肢です:
- 駐車場は洗い出しコンクリート、テラスは透水性コンクリートというように用途で分ける
- 同じエリア内でも、負荷のかかる部分と軽負荷の部分で使い分ける
- デザイン的なアクセントとして、部分的に異なる素材を組み合わせる
このような複合的な使用によって、それぞれの素材の長所を最大限に活かした外構デザインが可能になります。
最終的な判断のために
最終的な判断をする際には、以下のステップを踏むことをおすすめします:
- 実際の施工例を見学する(可能であれば)
- 複数の施工業者から見積もりと提案を受ける
- 長期的な視点でのコストとメンテナンス計画を検討する
- 地域の気候条件や環境要因を考慮する
動画内でも触れられているように、外構は長期間使用するものです。初期コストだけでなく、長期的な視点での使いやすさや維持管理のしやすさも含めて検討することが大切です。
今回ご紹介した動画の内容が、皆様の外構計画の参考になれば幸いです。外構工事についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ当社のYouTubeチャンネルの他の動画もご覧ください。また、具体的なご相談やお見積りについては、お気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。素敵な外構づくりのお役に立てれば嬉しいです。



