窓が少ない家のデメリットとNG間取り5選【新築注文住宅】

「断熱性能が上がる」「コストが下がる」という理由で、ハウスメーカーや工務店が窓を減らす提案をするケースが増えています。SNSでも「窓少なめのスタイリッシュな家」が人気を集めており、新築を検討中の方の中には「うちも窓は最小限でいいかも」と考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、外構・エクステリアのプロとして数多くの家づくりに携わってきたノエルガーデン(愛知県を中心に東海エリアで展開)の視点から言うと、「窓を減らす判断を間違えると、長年住み続けて後悔する」可能性が十分にあります。
今回は、ノエルガーデンの関連動画「【新築建てるなら見て】流行ってるけど窓が少なすぎる家づくりのデメリットと間取りをプロが話します」(福井店・林さん出演)の内容をもとに、窓が少なすぎる家の4大デメリットと絶対に避けるべきNG間取り4選をわかりやすく解説します。動画では実際の施工現場を見ながらリアルな解説が行われていますので、ぜひ記事とあわせて動画もご覧ください。
目次
なぜ今「窓を減らす」家が増えているのか
窓を減らすトレンドには、大きく3つの背景があります。
- 断熱性能の向上:窓は壁に比べて断熱性が低く、熱の出入りが大きい。窓を減らすことで断熱等級を上げやすくなる。
- 建築コストの削減:サッシ・ガラスは高額な建材。窓の数を減らすと材料費・施工費が下がる。
- デザイン性の追求:SNSで「余白のある外観」「ミニマルでスタイリッシュな家」が人気を集めており、窓の少ない箱型住宅が流行している。
これらのメリット自体は事実です。ただし、お客様の暮らし方や土地の条件を無視して一律に窓を減らすのは危険です。林さんが動画の中で「お客様によって意外とデメリットになるパターンもある」と語っているように、窓の数は「正解が一つではない」テーマです。
窓が少なすぎる家の4大デメリット
デメリット① 部屋が暗くなる
最もわかりやすいデメリットが「採光不足」による暗さです。建築基準法では、居室には床面積の1/7以上の窓面積(採光有効面積)を確保しなければならないと定められています。そのため、建築基準法をギリギリクリアした最低限の窓配置にすると、「暗い寝室」のような雰囲気になってしまうことがあります。
照明で補えば明るさは確保できる、と思う方もいるかもしれません。しかし林さんが動画で述べているように、「自然光の明るさを好む人が多い」のが現実です。朝起きたときに太陽の光が差し込む心地よさ、日中に照明なしで過ごせる環境は、心理的な健康・作業効率にも影響します。特に曇りがちな地域や北向きの部屋では、窓を削りすぎると終日薄暗い部屋になってしまいます。
リビングなど「明るさを重視したい空間」には、コストダウンのために安易に窓を削らないことが重要です。
デメリット② 風が通らなくなる
現代住宅には24時間換気システムが義務付けられており、機械換気で室内の空気を入れ替えることは可能です。しかし、窓を開けて自然の風を感じたいと思う方にとっては、窓の配置が死活問題になります。
風を室内に効率よく通すためには、対角線上に窓を配置することが基本です。例えば南面に窓を設けても、北面に対応する窓がなければ風は抜けていきません。林さんは「春・秋に窓を開けたい方は、対角線上に窓を設けることを考えてほしい」と動画内で強調しています。
また、「換気システムがあれば窓は不要」という考え方も一つの正解ではありますが、気持ちよい自然の風を室内に取り込む体験は、機械では代替できません。コスト優先で全ての窓を削るのではなく、風の通り道となる窓は戦略的に残すことが大切です。
デメリット③ 庭・外部との繋がりが失われる
外構・エクステリアのプロであるノエルガーデンが特に重視するのが、このデメリットです。動画の中で林さんは、「庭とデッキと室内の床が繋がっているように見えることで、6畳の部屋が4.5畳分広く感じられる」という具体的な感覚を説明しています。
大きな掃き出し窓(床まであるタイプの窓)があることで、リビングと庭・ウッドデッキが視覚的に一体化し、「アウトドアリビング」として機能します。この「抜け感」が空間の広さ・開放感を演出する重要な要素です。
反対に、腰高の小さな窓だけにしてしまうと、外に出る動線が生まれず、せっかく設けたウッドデッキや庭を誰も使わなくなるという後悔事例も少なくありません。
掃き出し窓の高さと価格の目安
| 窓の高さ | 特徴 | 価格感(参考) |
|---|---|---|
| 標準(2.2m) | 一般的なサイズ。天井を少し下げることで「天井まで窓」のように見せるテクニックも可能 | 標準価格 |
| ハイサッシ(2.4m)(参考:LIXILサッシ・窓製品一覧) | 天井近くまで届き、非常に開放感がある。ただしコストが上がる | 標準より+約10万円 |
林さんのアドバイスとしては、「2.2mの窓を採用しつつ天井を少し下げて窓が天井まで続くように見せる工夫をすることで、コストを抑えながら開放感を演出できる」とのことです。外構とセットで庭づくりを検討するなら、掃き出し窓の大きさと位置は最初の設計段階からしっかり考えることをお勧めします。
デメリット④ 外部の状況が分からなくなる
これは心理的・生活的なデメリットです。窓が少ない家では、「今日は雨が降っているのか」「風が強いのか」「外が明るいのか暗いのか」といった外部環境の変化を室内で感じ取れなくなります。
林さんは動画の中で、「木が揺れているのを見て今日は風が強いなとわかる、木漏れ日の変化で季節を感じるといった日常の気づきが、気分転換になる」と語っています。外の世界を遮断しすぎることは、知らず知らずのうちに生活の豊かさを削ってしまう可能性があります。
また、近隣にゴミ処理場・工場・喫煙する隣人がいる場合など、外部環境の悪さを考慮して窓を少なくすることが正解になるケースもあります。動画のコメント欄でも「隣家の喫煙で浴室が煙地獄になった」という声が届いており、立地条件によって「窓を増やすべきか・減らすべきか」の判断は変わります。一律に「窓は多い方がよい」とは言えず、周辺環境を踏まえた個別の判断が必要です。
後悔しないために知っておくべきNG間取り4選
窓の問題と密接に関わる間取りのNG事例も、動画の中で詳しく解説されています。新築計画中の方はぜひチェックしてください。
NG① プライバシーを意識しすぎて廊下を作りすぎる
「廊下がある家」は昔からの一般的なイメージですが、林さんは「廊下は無駄をなくす観点からできる限り減らすべき」と断言しています。その理由は主に2つです。
- 建築コストの増大:住宅は坪数で費用が計算されます。廊下スペースが多いほど坪数が増え、建築コストが上がります。廊下は「何もできない空間」であるため、コストパフォーマンスが最悪です。
- 掃除の手間:広いほど掃除が大変になります。ロボット掃除機でも廊下は効率が落ちやすい場所です。
動画の中で林さんは実際の施工例を見ながら、「廊下に見える場所も実はランドリールーム、収納スペース、玄関ホールと役割を持たせることで、純粋な廊下をほぼゼロにしている」という設計思想を紹介しています。廊下を削って生まれたスペースをリビングや収納に充てることで、「同じ坪数でも広く・使いやすい家」が実現できます。プライバシーの確保はドアの位置や動線の工夫で対応できます。
NG② リビングに面した位置にトイレを配置する
トイレをリビングに隣接させる間取りは珍しくありませんが、林さんは「音の問題」から強く避けることを推奨しています。水が流れる音、排泄音は、完全には防げません。来客時にもお互いが気を使う状況になり、日常的なストレスの原因になります。
理想的なトイレの配置は、水回りゾーン(洗面・浴室・トイレ)にまとめる、あるいは玄関付近に設けてリビングから距離を取るといった方法です。間取りを検討する際には「音が漏れたとき、お互いどう感じるか」という視点を必ず持つことが重要です。
NG③ リビングに面した和室・仏壇スペースのデザインを統一しない
近年は「和室は作らない」という方が増えていますが、仏壇があることで畳コーナーや小上がりスペースを設けるケースは依然として多くあります。問題は、昔ながらの和風仏壇をモダンな洋風リビングにそのまま置いてしまうことによるデザインの統一感の喪失です。
動画では、20cm高さを上げた小上がりスペースに仏壇コーナーを設け、扉を洋風のデザインに変えることでリビングと調和させた実例が紹介されています。仏壇スペースも「リビングのデザインと統一させる」という意識を持つことで、和と洋が違和感なく共存する空間が実現します。家族の宗教的・文化的ニーズを尊重しながら、インテリアとの整合性を取ることが長く満足できる家づくりの鍵です。
NG④ 構造上必要な柱・壁をただの障害物として扱う
「ここに柱が入るから仕方ない」「壁が出てきてしまうのでどうしようもない」という業者からの説明で、そのまま受け入れてしまうケースがあります。しかし林さんは、「それをデザインに変える・メリットとして活用する提案こそが重要」と語っています。
動画の事例では、構造上必要な柱に加えてあえてもう1本柱を増やし、柱2本を「デザイン要素」として見せることで、視覚的なアクセントと空間の区切りを生み出していました。また、階段を隠すための壁として活用することで、生活感のないすっきりとしたリビングを実現していました。
構造上避けられない要素であっても、「ポジティブに転換する提案」を業者に求めることが大切です。「どうしようもない」と言われたらそこで終わりにせず、「この柱・壁をデザインとして活かす方法はないですか?」と問い返してみましょう。優秀な設計者・施工者はここで差を見せてくれます。
窓の選び方・間取りで後悔しないための判断基準まとめ
動画の内容を踏まえ、窓の計画・間取り検討時に使えるチェックリストをまとめました。
- ✅ リビング・ダイニングには十分な採光窓を確保する(照明だけでは代替できない自然光の価値を理解する)
- ✅ 風の通り道を考えて対角線上に窓を配置する(特に春・秋に自然換気を楽しみたい場合)
- ✅ 庭・デッキを使う予定があるなら掃き出し窓は削らない(アウトドアリビングとの一体感を重視する)
- ✅ コスト削減目的で窓を減らすなら、北面・西面の小窓から検討する(採光・通風に影響しにくい箇所を優先)
- ✅ 廊下スペースを最小化し、収納・ランドリーなど役割のある空間に転換する
- ✅ トイレはリビングから離れた水回りゾーンか玄関付近に配置する
- ✅ 仏壇コーナーはリビングのデザインテイストに合わせた設えを検討する
- ✅ 構造上の柱・壁は「デザイン要素」として活用できるか業者に相談する
- ✅ 周辺環境(隣家の喫煙・工場の臭い等)を考慮した上で窓の多少を判断する
外構・庭づくりと窓計画は一緒に考えるべき理由
外構専門会社であるノエルガーデンが特に強調したいのは、「窓の計画と外構・庭の計画は切り離せない」という点です。
新築の際、建物の設計が先行して外構は後から考えるケースが多いのですが、これが多くの後悔の原因になっています。例えば、建物の設計段階でリビングの掃き出し窓の位置・大きさが決まってしまうと、後から「ウッドデッキを付けたい」「庭へのアクセスを良くしたい」と思っても動線が作りにくくなります。
理想は、建物設計の段階から「庭でどう過ごしたいか」「どこからアウトドアリビングに出るか」をイメージして窓の位置・大きさを決めることです。ノエルガーデンでは、外構デザインの観点から建物計画へのアドバイスも行っています。新築をご検討の方は、建物の打ち合わせと並行して外構専門会社にも相談されることをお勧めします。
また、概要欄にある「ミワの庭【外構デザイナー】」AIカウンセリングでは、無料で外構の費用やデザインについての相談ができます。間取りと外構の整合性に不安がある方はぜひ活用してみてください。
浴室の窓はあり?なし?視聴者コメントからの学び
動画の最後には視聴者からのコメントに対する回答コーナーがあり、「浴室の窓」についての議論が展開されました。「風呂窓があると換気・洗濯物乾燥に使える」という意見に対し、林さんは以下のように整理しています。
- 換気は換気扇(機械換気)で十分に対応できる
- 洗濯物を浴室で乾かすなら暖房乾燥機能付きの換気扇が必要(窓だけでは不十分)
- 隣家からの煙・臭いが入ってくるリスクを考えると、外部環境が悪い場合は窓がない方がよいケースもある
この議論からわかるのは、「窓の正解は住む人の生活スタイルと周辺環境によって変わる」ということです。「流行だから窓を減らす」でも「昔からの常識で窓をたくさん付ける」でもなく、自分たちの暮らし方を起点に判断することが最も重要です。
まとめ:「何のために窓を減らすのか」を明確にしよう
今回は、ノエルガーデンの動画「流行ってるけど窓が少なすぎる家づくりのデメリットと間取りをプロが話します」の内容をもとに、窓が少なすぎる家の4大デメリットと絶対に避けるべきNG間取り4選を解説しました。
窓を減らすこと自体は決して悪いことではありません。ただし、「断熱性能を上げたいから」「コストを下げたいから」という理由だけで一律に窓を削ることは危険です。暗い部屋、風の通らない空間、庭との繋がりの喪失——これらは完成後に「やっぱり窓を付けておけばよかった」と後悔しても、簡単にやり直しができない問題です。
新築計画の段階で、「どの窓を削っていいか」「どの窓は絶対に残すべきか」を優先順位を持って判断することが大切です。そのためには、外構・庭の使い方・周辺環境・家族の生活スタイルまでを含めた総合的な視点が必要です。
ノエルガーデンは愛知県・東海エリアを中心に、外構・エクステリア・お庭づくりの専門会社として、建物と庭が一体となった「本当に心地よい住まい」の実現をサポートしています。外構計画のご相談は、ぜひノエルガーデン公式サイトからお気軽にどうぞ。



