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外構デザインを格上げする低木の選び方と配置テクニック5選


本動画はこちらよりご覧いただけます:YouTubeリンク

こんにちは、株式会社ノエルの三輪です。愛知県一宮市、岐阜県を中心に外構工事や庭づくりを手がけております。

今回は、私のYouTubeチャンネルで公開している「外構デザインを格上げする低木の選び方と配置テクニック」について詳しく解説していきます。庭づくりやガーデニングをされる方にとって、低木の選定と配置は見た目の印象を大きく左右する重要なポイントです。

この記事では、動画の内容をさらに掘り下げ、プロの視点から低木を活用した外構デザインの秘訣をお伝えします。これから外構工事を検討されている方はもちろん、すでに庭をお持ちで模様替えを考えている方にも参考になる内容となっています。

和モダンな庭に配置された低木の景観低木が外構デザインに与える影響とは?

外構デザインにおいて低木は単なる「緑を増やす要素」ではありません。適切に選定・配置された低木は、住まいの印象を一変させる力を持っています。

低木は高さが0.3m〜2m程度の木本植物を指し、庭や外構において以下のような重要な役割を果たします:

  • 視線の誘導や遮蔽による空間の区切り
  • 建物と地面の間の視覚的な緩衝材
  • 四季の変化を感じさせる季節感の演出
  • 庭全体の雰囲気を決定づける基調となる要素
  • メンテナンス性と景観のバランスを取るための重要な要素

動画でもお伝えしているように、低木の選定を誤ると、せっかくの外構が単調になったり、逆に雑然とした印象になってしまうことがあります。また、成長後のサイズを考慮せずに植栽すると、数年後には手入れが大変になるケースも少なくありません。

プロの外構デザインでは、これらの点を踏まえた上で、住宅の雰囲気や施主様のライフスタイルに合わせた低木選びを行っています。

外構デザインを格上げする低木の選び方5つのポイント

動画では詳しく解説していますが、ここでは低木選びの際に押さえておきたい5つのポイントを紹介します。

1. 住宅の外観に合わせた樹種選定

低木選びで最も重要なのは、住宅の外観との調和です。和風、洋風、モダン、ナチュラルなど、住宅の雰囲気に合わせた樹種を選ぶことで、統一感のある外構が実現します。

例えば、和風住宅には黒松、モミジ、ツゲなどの日本の伝統的な樹種が調和します。一方、洋風住宅にはオリーブやローズマリー、ボックスウッドなどの西洋の樹種が適しています。モダンな住宅には、シンプルな葉形のソヨゴやモッコクなどの常緑樹が美しく映えます。

住宅の外観と植栽の調和が取れていないと、どんなに高価な樹種を使っても違和感が生じてしまいます。まずは住宅の建築様式をしっかり分析することから始めましょう。

2. 四季の変化を楽しめる組み合わせ

日本の四季を庭で感じられるよう、季節ごとに見どころのある低木を組み合わせることも大切です。

春に花を咲かせるジューンベリーやハナミズキ、夏に涼しげな印象を与えるアジサイ、秋に紅葉するドウダンツツジやナナカマド、冬も美しい実をつけるピラカンサやマンリョウなど、一年を通じて庭に変化をもたらす樹種を選ぶと良いでしょう。

ただし、あまりに多くの種類を詰め込むと雑然とした印象になるため、常緑樹を基調として、アクセントとなる落葉樹や花木を数種類取り入れるのがバランスの良い配置です。動画でもお伝えしているように、3〜5種類程度に絞るのが理想的です。

3. 将来の成長を見据えた選定

低木を選ぶ際によく見落とされるのが、将来的な成長サイズです。植えた時は小さくても、数年後には想定以上に大きくなり、剪定の手間が増えたり、窓を塞いでしまったりすることがあります。

特に成長の早いシマトネリコやソヨゴなどは、数年で2〜3mに達することもあります。逆に、成長の遅いツゲやイヌツゲは、形を整えやすく長期的な景観維持に適しています。

施主様のガーデニングへの関心度や手入れにかけられる時間も考慮して、適切な成長速度の樹種を選ぶことが、長く美しい庭を維持するコツです。

4. 日照条件と土壌環境の考慮

どんなに見た目が美しい低木でも、その場所の環境に合っていなければ健全に育ちません。庭の日照条件や土壌環境を正確に把握し、それに適した樹種を選ぶことが重要です。

南向きの日当たりの良い場所には、オリーブやローズマリーなどの地中海性の樹種や、ハイビスカスなどの花木が適しています。一方、北側や建物の陰になる場所には、アオキやヤツデ、シャクナゲなどの耐陰性の高い樹種を選びましょう。

また、粘土質の重い土壌では排水性を改善するか、湿地を好むアジサイなどの樹種を選ぶなど、土壌条件も重要な選定基準となります。

5. メンテナンス性を考慮した選択

美しい庭を長く維持するためには、メンテナンス性も重要な選定基準です。剪定頻度や落ち葉の量、病害虫への耐性などを考慮して樹種を選ぶことで、将来的な管理の手間を軽減できます。

例えば、カイヅカイブキやゴールドクレストなどの針葉樹は定期的な剪定が必要ですが、自然樹形を活かせるシャクナゲやアセビなどは比較的手入れが簡単です。また、モミジなどの落葉樹は紅葉が美しい反面、落ち葉の掃除が必要になります。

施主様のライフスタイルや庭への関わり方に合わせて、適切なメンテナンス頻度の樹種を選ぶことが、長期的に満足度の高い庭づくりにつながります。

様々な種類の低木が調和した現代的な日本の庭低木の効果的な配置テクニック

低木の種類選びと同じくらい重要なのが、その配置方法です。動画でご紹介しているテクニックをさらに詳しく解説します。

1. レイヤリング(層構成)の技法

プロの外構デザインでよく用いられるのが、植物の高さを利用した「レイヤリング」です。背の高い樹木や建物を背景に、中層に低木、前景にグランドカバーや草花を配置することで、奥行きと立体感のある庭が完成します。

例えば、塀際にシマトネリコなどの小高木を配置し、その手前にアベリアやアジサイなどの中型低木、さらに手前にヒペリカムやコクチナシなどの小型低木、最前列にリシマキアやヘデラなどのグランドカバーを配置するといった具合です。

このレイヤリングは、限られたスペースでも豊かな植栽表現を可能にする重要なテクニックです。特に都市部の狭小住宅では、この手法を活用することで、コンパクトながらも奥行きのある庭を演出できます。

2. グルーピング(群植)の効果

同じ種類の低木を3〜5本程度まとめて植える「グルーピング(群植)」は、統一感と存在感を両立させる効果的な手法です。

例えば、オリーブを1本だけ植えるよりも、3本をゆるやかなグループとして植栽すると、より自然で豊かな印象になります。また、ハイビスカスやアジサイなどの花木も、群植することで開花時の見映えが格段に向上します。

グルーピングの際は、完全に等間隔ではなく、自然の森のようにやや不規則な配置にすることで、より自然な印象になります。また、奇数本(3本、5本など)でグルーピングすると、視覚的なバランスが取りやすくなります。

3. フォーカルポイント(視線の焦点)の作り方

庭には「主役」となる視線の焦点(フォーカルポイント)を設けることで、空間に秩序と魅力を生み出せます。

例えば、アプローチ脇に一際目を引くシンボルツリーを配置したり、玄関前に特徴的な樹形の低木(コニファーやトピアリーなど)を置いたりすることで、外構全体の印象が引き締まります。

フォーカルポイントとなる植物は、樹形や葉色、花の美しさなど、何らかの特徴を持つものを選ぶと効果的です。ただし、あまりに派手すぎると周囲との調和を乱すため、住宅の雰囲気に合った控えめな主役選びがポイントです。

4. 反復とリズムによる統一感の創出

同じ種類の低木を庭の複数箇所に配置する「反復」の手法は、広い庭でも統一感を生み出す効果があります。

例えば、アプローチ沿いに一定間隔でボックスウッドを配置したり、庭の東西両端に同じ種類のアジサイを植えたりすることで、空間に秩序とリズムが生まれます。

この手法は特に、コーナー部分や門柱の両脇など、対称性を強調したい場所で効果を発揮します。ただし、完全な対称配置よりも、やや変化をつけた配置の方が、自然で洗練された印象になることが多いです。

5. 境界線と視線誘導のテクニック

低木は空間を区切ったり、視線を誘導したりする役割も果たします。特に、庭と駐車スペースの境界や、プライバシーを確保したい場所には、背の高い低木の列植が効果的です。

例えば、目隠しが必要な場所にはベニカナメモチやレッドロビンなどの常緑樹を列植し、アプローチでは徐々に高さを変えた低木を配置して玄関へと視線を誘導するといった使い方があります。

また、庭の境界に沿って植栽することで、敷地の広がりを強調したり、逆に「囲われ感」を演出して安心感のある空間を作り出すことも可能です。

低木の特性と代表的な樹種の紹介

動画では様々な低木の特性についても触れていますが、ここではさらに詳しく、外構デザインでよく使われる代表的な低木をご紹介します。

常緑低木の特徴と代表種

常緑低木は一年を通じて葉を落とさないため、庭の骨格となる重要な要素です。特に冬場も緑を保ち、プライバシーの確保や風除けにも役立ちます。

  • ボックスウッド(ツゲ):整形しやすく、フォーマルな印象を与える。洋風住宅やモダン住宅に適している。
  • アベリア:小さな光沢のある葉と白い花が特徴。剪定にも強く、生垣や列植に向いている。
  • オリーブ:シルバーグリーンの葉が特徴的で、地中海風の外構に最適。日当たりと排水の良い場所を好む。
  • ピラカンサス:秋から冬にかけて赤や橙色の実をつける。鳥を呼び寄せる効果もある。
  • キンメツゲ:黄金色の葉が明るい印象を与え、和風・洋風どちらにも合う。

常緑低木を選ぶ際は、最終的な樹高と横幅をよく確認し、将来的に過剰な剪定が必要にならないよう計画することが重要です。特に窓の下や通路脇には、成長が緩やかな種類を選ぶと良いでしょう。

落葉低木の特徴と代表種

落葉低木は四季の変化を感じさせ、特に花や紅葉を楽しめるものが多いのが特徴です。常緑樹をベースにしつつ、アクセントとして取り入れると効果的です。

  • ドウダンツツジ:春の白い鈴なりの花と秋の紅葉が美しい。和風住宅に特に合う。
  • アジサイ:梅雨時期の花が長く楽しめ、種類も豊富。半日陰でも育つため、北側の庭にも適している。
  • ハイビスカス:南国風の大きな花が特徴。夏の暑い時期に花を咲かせ、リゾート感を演出できる。
  • ジューンベリー:春の白い花、夏の実、秋の紅葉と三季楽しめる。小さな庭のシンボルツリーにも。
  • コデマリ:春に白い花を咲かせ、優しい印象を与える。ナチュラルガーデンに最適。

落葉低木は冬に葉を落とすため、その時期の庭の印象も考慮して配置を計画することが大切です。また、落ち葉の処理も考慮し、メンテナンスしやすい場所に植えるよう心がけましょう。

花を楽しむ低木の選び方

花を楽しむことを目的とした低木選びでは、開花時期を分散させることで、一年を通じて花のある庭を実現できます。

  • 春咲き:ユキヤナギ、レンギョウ、ハナミズキ、モクレン、ライラックなど
  • 初夏〜夏咲き:アジサイ、ブルーベリー、ハイビスカス、ブッドレアなど
  • 秋咲き:サザンカ、ローズマリー、アベリアなど
  • 冬咲き:ロウバイ、ジンチョウゲ、クリスマスローズなど

花を楽しむ低木を選ぶ際は、花の色や形だけでなく、香りの有無や開花期間の長さも考慮すると良いでしょう。また、切り花として楽しめる種類を選べば、庭の花を室内にも取り入れることができます。

低木を活かした庭づくりの実例

動画でも触れていますが、ここでは実際の施工例をもとに、低木を活かした庭づくりの具体例をご紹介します。

和モダンな庭の低木配置例

和風住宅に現代的なエッセンスを加えた「和モダン」スタイルの庭では、以下のような低木配置が効果的です:

  • アプローチ脇にクロマツを刈り込んだ和風トピアリーを配置
  • 建物近くにモミジを植え、四季の変化を演出
  • 石と組み合わせてコクチナシやサツキを配置し、和の要素を強調
  • モダンな要素としてソヨゴやモッコクの直線的な刈り込みを取り入れる
  • グランドカバーには和風のシダ類や苔を用いて、自然感を演出

和モダンな庭では、伝統的な和風植栽と現代的な直線的デザインを融合させることがポイントです。低木の配置も、完全な対称性よりも、「左右不対称の中にもバランスがある」という和の美意識を取り入れると良いでしょう。

ナチュラルガーデンの低木配置例

自然の風景を模した「ナチュラルガーデン」では、以下のような低木配置が効果的です:

  • 境界部分にドウダンツツジやアジサイを不規則に群植
  • 庭の中心部にジューンベリーやハナミズキなどの小高木を配置
  • 草花と混植するようにコデマリやアベリアを点在させる
  • 通路沿いにラベンダーやローズマリーなどのハーブ系低木を配置
  • 全体を有機的な曲線で構成し、自然の森のような雰囲気を演出

ナチュラルガーデンでは、植物同士が自然に混ざり合うような配置が理想的です。低木も完全に整形せず、自然樹形を活かした剪定を心がけると、より自然な印象になります。

モダンミニマルな庭の低木配置例

現代的でシンプルな「モダンミニマル」スタイルの庭では、以下のような低木配置が効果的です:

  • シンプルな葉形のオリーブやソヨゴを主役に据える
  • 直線的な区画に同じ種類の低木を規則正しく配置
  • 黒や白の砂利と組み合わせ、コントラストを強調
  • 低木の数を絞り、余白を多く取ることで洗練された印象に
  • 幾何学的な刈り込みを施したボックスウッドやイヌツゲを配置

モダンミニマルな庭では、「引き算の美学」が重要です。多くの種類を詰め込むのではなく、厳選した数種類の低木を効果的に配置することで、洗練された印象を生み出します。

低木の植栽と維持管理のポイント

最後に、低木の植栽方法と維持管理のポイントについて解説します。これらは動画でも触れている内容ですが、さらに詳しく掘り下げていきます。

適切な植栽方法

低木の健全な成長のためには、植栽時の作業が非常に重要です。以下のポイントを押さえましょう:

  • 植え穴のサイズ:根鉢の1.5〜2倍の大きさの穴を掘り、根が十分に広がるスペースを確保する
  • 土壌改良:既存の土に腐葉土や堆肥を混ぜ、排水性と保水性のバランスを整える
  • 植え付け深さ:根鉢の上部が地面と同じか、やや高めになるように植える(深植えは根腐れの原因に)
  • 支柱立て:必要に応じて支柱を立て、風で揺れて根が定着しないことを防ぐ
  • 植え付け後の水やり:植え付け直後は十分な水を与え、その後1〜2週間は乾燥に注意する

また、植栽の最適な時期は、常緑樹は春か秋、落葉樹は休眠期の冬が適しています。真夏の植栽は水切れのリスクが高いため、避けた方が無難です。

季節ごとの管理ポイント

低木は一度植えれば終わりではなく、季節ごとの適切な管理が美しい状態を維持するコツです。

  • :冬の間に傷んだ枝の剪定、肥料の施肥、花木の場合は花後の剪定
  • :水切れ防止の水やり、病害虫の早期発見と対処、必要に応じた軽い剪定
  • :落葉樹の場合は落ち葉の処理、冬に向けた整枝剪定
  • :霜や雪害対策、常緑樹のシェイプアップ剪定、堆肥の投入

特に重要なのは剪定のタイミングです。花を楽しむ低木は、基本的に花後すぐに剪定するのが原則です。例えば、春に咲くライラックは花後すぐ、夏に咲くアジサイは花が終わった秋か、翌春の芽吹き前が適切な剪定時期となります。

低木の剪定テクニック

低木の剪定は、単に大きさを抑えるだけでなく、美しい樹形を作り出すための重要な作業です。

  • 刈り込み剪定:ボックスウッドやイヌツゲなど、形を整える剪定。全体のバランスを見ながら行う
  • 透かし剪定:混み合った枝を間引いて風通しを良くする剪定。病害虫予防にも効果的
  • 切り戻し剪定:枝を短く切り詰めて、新しい芽の発生を促す剪定。樹形の若返りに効果的
  • 芽摘み:新芽のうちに摘み取り、樹形を整える方法。松などの和風樹種でよく行われる

剪定の基本は「樹種の特性を理解する」ことです。自然樹形を活かすタイプの低木(ドウダンツツジなど)と、刈り込みに適したタイプの低木(ツゲなど)では、剪定方法が大きく異なります。

また、剪定は一度に強く行うのではなく、少しずつ様子を見ながら行うのがコツです。特に樹高を大幅に下げる必要がある場合は、1年で一気に行うのではなく、2〜3年かけて徐々に理想の高さに近づけていくことをお勧めします。

まとめ:低木で外構デザインを格上げするための5つのポイント

今回の動画解説では、外構デザインを格上げする低木の選び方と配置テクニックについて詳しく見てきました。最後に、ポイントを5つにまとめておきます:

  1. 住宅の外観と調和する樹種を選ぶ:和風、洋風、モダンなど、住宅の雰囲気に合った低木を選定する
  2. 将来の成長を見据えた計画を立てる:植えた時だけでなく、数年後の姿をイメージして配置を決める
  3. レイヤリングで奥行きを演出する:高さの異なる植物を層状に配置し、立体感のある庭を作る
  4. 四季の変化を楽しめる組み合わせにする:常緑樹をベースに、季節ごとの見どころを作る
  5. メンテナンス性を考慮した選択をする:ライフスタイルに合った手入れのしやすさを重視する

低木は外構デザインの要となる重要な要素です。適切な選定と配置によって、住まいの印象は大きく変わります。この記事と動画が、皆様の素敵な庭づくりの参考になれば幸いです。

より詳しい内容や実際の施工例については、ぜひYouTube動画をご覧いただくとともに、お気軽にお問い合わせください。プロの視点から、お客様の理想の庭づくりをサポートいたします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。素敵な外構づくりの一助となれば嬉しいです。